牛歩母日記?

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熊谷 守一 「没後40年 生きるよろこび」

 虫や鳥などを明快な形と色で描いた画家、「熊谷守一の回顧展」が国立近代美術館で開かれている。
今回は200点の油彩を中心に困窮や苦悩の時を経て多作の著名作家になるまでの波乱の生涯をたどる。
 
 
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以前にも「没後30年 熊谷守一展」を 埼玉県立近代美術館で見ているが、好きな画家なので再び…友と一緒に
 
 
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陽の死んだ日」(新聞写真より)   熊谷は60歳近くまで売れる絵はほとんど描かず、貧しい中次男の陽が、三女の茜が急逝。後年長女の萬 も21歳で亡くなっている。
「陽の死んだ日」は絵の具をたたきつけるように荒い筆遣い。ろうそくの炎と死に顔の色が呼応し、鎮魂の空気に包まれる。
 
 
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20~30代に描いた光と闇が織りなす暗色の絵とは印象を異にする70代以降の絵は、60歳前に画面に登場した赤い線で輪郭を縁取った作風が確立する。
 
70歳半ばからは、東京の自宅をほとんど出ず、庭で動植物を観察した。色彩理論を学び.後期印象派なども研究し、配色が計算しつくされている。
 
 
 
 
 
 
 
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「扶桑」
 
 
 
 
 
 
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「ハルシャ菊」
 
 
 
 
 
 
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「百日草」
 
 
 
 
 
 
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「雨滴」
中間色の背景によって白い水滴が跳ねる錯覚を生じさせる
 
 
 
 
 
 
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「たまご」
 
 
 
 
 
 
 
 
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「豆に蟻」 濃いオレンジ色の足と輪郭、青色の胴体の効果でアリが動き回るようだ
 
 
動植物に注がれる温かな目線、絵も風貌も穏やかだが、熊谷は心の内奥に潜めていた激しい情念を感じ、
二面性も浮かび上がる。
95歳にして「いつまでも生きていたい」と語ったという。この展の副題「生きるよろこび」にもうなずける。
 
3/13 暖かな日でしたので、この後、美術館前の皇居平川門から入り、東御苑を通り大手門から大通りに出て、和田倉門、馬場先門交差点を経て丸の内の 三菱一号館美術館 「ルドン展」へ